もしかしてこれは

KAT-TUNと宝塚を中心にちみちみと書いていきます

5月の観劇日記

 5月は今まで生きてきた中で、一番舞台を観に行ったひと月になりました。まずは、宝塚星組の「スカーレットピンパーネル」を東京宝塚劇場まで。星組の公演は初だったのですが、前にスカイステージで「ジャン・ルイ・ファージョン -王妃の調香師-」で主演を務める紅さんの、一見クールに見えるそのお顔立ちから溢れんばかりの情熱に心を奪われ、いつかは生で紅さんを拝見したいと願っていました。

 トップスターとして大劇場の舞台に立たれていた紅さんは、役であるパーシーそのままに貴族らしい気品さを持ち、自分がスカーレットピンパーネルだと感づかれないよう様々な手段を使ってフランス政府を欺く頭脳明晰な部分もしっかりと表現していて、自分が18世紀末のフランスにタイムスリップしたのではという錯覚まで起こしそうなほどでした。

 紅さんのことを調べてみると、このスカーレットピンパーネルが新人公演での初主演作だということを知りました。当時、安蘭けいさんが本役で上演され、大変好評だったと聞きます。そんな話題作で新人公演といえ主役を務めるなんて、当時の紅さんにとって相当のプレッシャーだったと思います。そして今回はトップお披露目公演でパーシーを演じるとなると、新人公演のときよりもさらに強い緊張感があったと思います。そんな重責のかかる中、強くて紳士的で、カッコいいパーシーを力いっぱい演じた紅さんは、眩く紅色に輝いていました。

 

 宝塚の次は新大久保へ。東京グローブ座へ「新世界ロマンスオーケストラ」を観劇。こちらも宝塚とは別で特別な思いを胸いっぱいに秘めながら観劇しました。

 中学生の時からずっと応援していた上田君。彼に最後に会ったのは今からちょうど1年前のライブでした。あれから1年が過ぎ、さらに男らしさに磨きのかかった上田君に会えるのを楽しみにしていました。でも、不思議なことにこの1年テレビや雑誌で定期的に見かけていたので寂しさなんて微塵もなく、成長した上田君をしっかりとこの目に刻むことができました。

 上田君が演じる拓翔は、6股をかける遊び人なビジュアル系ロックバンドのボーカル。そんな彼と6人の彼女たちが繰り広げるハチャメチャなラブコメディ、なのですが、最後は胸いっぱいに幸せというメロディが鳴り続け、帰り際にふと愛とは何なのかを考えさせられる作品です。全力で誰かを愛すること、誰かから愛されること。そのことの大切さを教えてくれる物語です。脚本・演出を描けた根本宗子さんのその天才さにただただ脱帽です。観終わったら、皆心が幸せいっぱいになりますよ!

 今回の舞台を観て、前回の「青い瞳」でサムを演じてから、さらに上田君の演技力に磨きがかかっていると感じました。他の役者の方がセリフを言っているときの僅かな仕草。いつもはポーカーフェイスなのに舞台上ではコロコロ七変化する表情。蜷川さんを筆頭に、沢山の方から学び、刺激を受け、大きく成長して舞台へ戻ってきた上田君の姿がそこにはありました。こんなにも大きく成長した上田君、まだまだ伸びしろが沢山あると思います。こんなにも舞台で堂々としている彼の姿、蜷川さんに見てほしかったな。また上田君を舞台に出させてほしかったなぁ。

 フランス革命後のパリで懸命に貴族を救い出しそうと奮闘するパーシーを演じる紅さん。そして、滅茶苦茶な性格だけど音楽にかける情熱は人一倍強い拓翔演じる上田君。お二人とも、舞台にかける意気込みというか、熱さがもう何もかも燃えつくしてしまう程熱く、煮えたぎっておりました。そして、この二人を支えてくださる演者さんも魂がメラメラ燃えて、キラキラ輝いてました。

 舞台ってやっぱりいいな。ずっとずっと観ていたい!皆が下さったこのキラキラを胸に大切にしまって、また明日から頑張ろうという気持ちになります。また新しいキラキラが降ってくるその日まで。